イクボス塾@東海 ボス編 第3回(開催報告)

今回は、実際のイクボスに登場頂き、抱えている課題について共有し、参加者でディスカッション、さらにイクボスマネジメントの実践についてです。

ファザーリング・ジャパン柴田俊さんから、『イクボスの苦悩~イクボス講師の懺悔~』と言う少しショッキングなタイトルでのプレゼンテーションがありました。

柴田さんは自ら立ち上げたシステム会社を軌道に乗せ、またイクボスとして、ライフでは夫婦円満研究家として子育てに大きくコミットし、またアスリートとしてトライアスロンでは素晴らしい成績を上げています。ソーシャルでは、FJを始め、土岐市の様々な委員、小学校のPTA会長なども歴任してきました。

ご自身は、『田舎の零細企業の社長として、順調に業績を伸ばしてきた。その理由はイクボスだから』と分析しており、企業の合同会社説明会などでも柴田さんの会社のブースは群を抜いて学生を集めていました。

イクボスとして実践してきたことは、①早く帰る ②仕事を任せる ③個人的な理由で会社を休む ④会社で暇な時間を作る ⑤部下ひとりひとりと向き合う、と正に『イクボス』で、そういった内容を講師として講演してきました。

ところが、今年の初め、柴田さんの会社はIPO(株式公開)を目指す企業に買収され、柴田さん自身はその子会社となった今までの会社の社長に加え、親会社の取締役にもなりました。

株式公開を目指す会社の激務の中で、残業や休日出勤も増え、家族へ負担を多くかけるようになり、プライベートでは、練習時間の確保ができず、競技成績も伸び悩んでいます。

会議を削減する1/2x1/2×1/2の法則は知っていても、その通りに行かない、自分は決して使うまいと思っておいた言葉『とにかく頑張ってくれ!』を部下に発している、そんな苦しい状況をお話し頂きました。

最後に柴田さん自身は、人生は多様な役割の組み合わせで、時にはこのような時期もあるのではと結ばれました。参加者からは同じような状況で悩む方もおり、様々な意見がでました。

イクボスの取り組みというのは、“これでよし!”というものはなく、それぞれの立場で試行錯誤しながらやっていると思います。また、イクボスの前提となるワーク・ライフ・バランスについても「こうでなければならない。」というものはない。柴田さんは今、長時間労働になっていますが、人生をロングショットで捉えると、一時のことかもしれない。

また、彼は今、IPOというビジネスにおいて貴重な経験をされています。人生においてはワーク・ライフ・バランスが取れない時期もあるかもしれませんが、トータルでどうだったかと言う点で考えてるのも“あり”だと思いました。

柴田さんご自身は、今回話されたことで、自分の気持ちが整理できたと仰っており、参加者からは是非、『その後』について聞く機会が欲しいと言う要望がありました。

その後はイクボスマネジメントの実践で、前の週に発刊されたFJ川島理事の『職場のムダ取り教科書』

http://www.socym.co.jp/book/1150

に沿って、会議、資料、メールといった3大ムダへの対応をご紹介しました。

パーキンソンの第一法則というものがあります。これは『仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する』というもので、イギリスの経済学者が公務員の行動を調査して導いた法則です。

川島さんの本にもありましたが、『自主締切を2割前倒す』ことの大切さが実感されます。

 

<本件に関するお問合せ>

NPO法人ファザーリング・ジャパン東海支部

イクボス塾@東海 事務局 ikuboss@fjtokai.jp

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