第1回イクボス塾@東海(開催報告)
平成29(2017)年11月9日、第1回「イクボス塾@東海」勉強会をトヨタファイナンス株式会社様で開催致しました。20数社のご参加をいただきました。
トヨタファインナンス様は2008年より企業文化変革を行っており、すべては人を大切にすることで、会社と社員の相互信頼や、よりよい人間関係を築き、活き活きと働く職場風土を形成するためのモノという一貫した姿勢が貫かれています。
今回はこの企業文化変革について、推進の中核となった人事部長から、またそれを実現するための『職場主体のボトムアップ活動の取組について』担当主幹から説明がありました。どちらも実際にやっている人が持つリアリティと熱い思い、そして本音の説得力がある説明が印象的でした。
質疑応答もレベルの高いものとなりました。
■ (文化変革遂行にあたり)『ありたい姿(理想の姿)』を映像にまとめたとお聞きしましたが、その映像が見たいのですが。
→ お越し頂ければ見れます。その場でご説明も致します。(人事部長)
■ どんな内容ですか
→ 第一部は当時の社長がインタビューに答える形式で、一般社員用とマネージャー用があります。第二部は、実際に主体的に働いて活き活きしている職場(企業)のDVDです。(人事部長)
■ 産育休の制度は整っているが、フリーライダーとそうでない人に分かれると思うが、本人の意識をどう変えるか? 短時間勤務の人ばかりだと回らないという上司の意識をどう変えたか
→ 職場復帰支援プログラムで、(本人、その上司、人事の3者面談、妊娠発覚時点から復帰後まで数回行う)なんのために両立支援制度を充実させたかという会社の思いを理解してもらう。目的意識を打ち出す。5年間で徐々にマネージャーの意識が変わった。制度よりマインドをしっかり植え付けることが大切。短時間勤務は小学校3年までだが、この目的を話す。働き続けるためのセーフティーネットであることを強調。どこでフルタイムに戻れるか話し、確実にその時期に戻れるようにしてもらう。また、短時間勤務のメリット・デメリットも話す一方で、(短時間勤務を)15分刻みにして、段階的にフルタイムへの移行できるようにしている。(妊娠直後は)短期的視野に陥るが、妄想でも良いので、中長期的なライフプランを描いてもらい、復帰後の自分がどうありたいかを意識させる(担当主幹)
→ マネージャーの意識について 短時間勤務者は、時間制約はあるが、能力制約はない。シフト勤務の場合、短時間勤務者もシフトに入る努力を促す。腫れ物に触るように接するのではなく、中長期的キャリアを考え(短時間勤務を)マミートラックにしない。それには、時間単位の評価が大切。彼らの価値観を変えることが大切(担当主幹)
■ 働き方改革の中の生産性向上、指標をどう設けるか。個人的にはボトムアップ活動のマイルストーンが参考になった。
→ 我々も持っていない。働き方改革で、長時間労働削減自体が目的なってしまう。KPIを設けるとそれが目的化してしまう。それはまずいのでは・・・ (人事部長)
■ (企業文化変革を)浸透させるには?
→ 主体性が大切。一人一人、『それをやらないといけない』と思わないと人はやらない。オフサイトミーティングなどで話し合うことで相互に信頼関係が深まり、意識が醸成される。(人事部長)
→ そういった結果(化学変化)を見せること(情報共有、好事例の共有)も大切。まだ、温まっていない部署もそれをも見て刺激を受ける。自分たちもやりたいと思うようになる。(担当主幹)
■ 1年くらいでは(組織はなかなか)変わらない。変わるコツは? オフサイトミーティングなどで変わるか?
→ 推進者は変わると信じることが大切。職場は変える力を持っていると信じる。変わるまで5年かかった。諦めずに止まらないことが大切。(担当主幹)
→ 企業文化変化はどこに向かっているか?と言う質問があるがそういう問題ではない。(人事部長)
(文責:S.S)